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ヘルスケア・マーケティングの将来は今にかかっている - 鍵は個別化

現在進行中のヘルスケアと人工知能の結びつきからして、おそらく今が、ヘルスケア・マーケティングはこれからどうなるのかについて少し考えてみる良いタイミングでしょう。セルフドライビングカー、Echo、Alexa、スマートホーム、Siriなどでの人工知能の利用は皆さんよくご存知でしょう。でも、ヘルスケアに対してこのようなことのすべてが持つ意味は何でしょうか、また、ヘルスケア・マーケターが人工知能ですでに行っていることは何でしょうか。

1.ネクスト・ベスト・アクション・モデリングで個別化したコンテンツとチャネル

ネクスト・ベスト・アクション(NBA)・モデリングについては、以前の記事でお話ししましたね。NBAモデリングとは、顧客が1つの行動を完了した後に「ネクスト・ベスト・アクション(次にとるべき最適な行動)」をとることに役立つ顧客中心のアプローチと考えることができます。これはマーケターの方にとって、人工知能をきわめて有効に使う方法で、うまく行われれば、非常に威力のあるものです。うまく行われないと、以前の記事で私がお話しした例のようになり、御社ブランドにとって非常にマイナスな結果となります。うまく行われるNBAモデリングはパラダイムを変えるものです。これは次の顧客を見つけ出す代わりに、既存の顧客に付加価値をもたらし、その時点でのニーズに応えるベスト・プロポジションを見つけ出すことに重点が置かれています。商品中心ではない顧客中心のアプローチで、個人の行動(過去と現在のもの)、ニーズ、好みを考えて各顧客に個別に対応します。

2.医師の処方スイッチと患者の服薬遵守を個別に予測するエンジン

お客様のご依頼を受け、どの医師がブランドからスイッチするか、あるいは競合からスイッチするか、ということを予測するためユーラリスはAIを使用しています。医師がブランドに好意的でなくなってきたこと、そしてその理由が事前に分かれば、実際にスイッチが起こる前に対策を開始できるため、これはきわめて有用なものです。また、どの患者が服薬をやめてしまうか、どのような個別介入が服薬遵守に役立つか、ということを予測する同様のアプローチも弊社は活用しています。これらのことは、人工知能を使用して個別の医師・患者のレベルで行われます。

 3.顧客ごとに個別化されたブランド・メッセージを提案するエンジン

症状とブランドに対する医師のニーズに対処するため、特定の医師に、特定のタイミングで、最適なトピックの話が営業訪問時にできるよう、ユーラリスは人工知能を利用して、より対象を絞った提案を営業職員のアプリまたはCRM に直接お届けします。人工知能を駆使することにより、顧客がその時点に抱いている懸念に対応して、営業職員と顧客の間により強力で個人的な関係を作り上げ、処方行動に影響を与えることが可能です。営業職員には、優れたデータと人工知能に基づいて、その時点でその医師の行動を促すトピックは何か、という貴重なインサイトが提供されるのです。

4.モノのインターネット(IOT)

現在、注射剤の多くは、その薬剤を使用する患者の使用法に関する情報(いつ、どれだけ、ということに加え、注射針にかかった圧力さえ)を把握するためのセンサーを内蔵しています。また、同様の情報を伝達する飲み込めるチップ入りの錠剤も存在しています。患者の全局面を把握するため、ユーラリスはこれらのデータと他のデータを組み合わせてアナリティクスに使用しています。モノのインターネット(IOT)は、これまでのところ、予想されたほどウェアラブル市場で使用されるには至っていません。その理由の一部は、ウェアラブル機器はそれぞれバラバラに機能することです。それぞれ少しの機能を果たすウェアラブル機器を15個持っていたとしたら、うんざりするでしょう。今必要なことは、すでに装着しているものに入れ込むようにすることです。ステキな腕時計を持っていたら、みっともないウェアラブル腕時計など身に付けたくありません。身に着け、使用したいものに、これらの技術を、もっと統合的な手法で入れ込む方法はないものでしょうか。今にそうなるでしょう。それが実現した暁には、製薬企業のマーケターにとって、顧客のヘルスケアのニーズなどを統合して把握するための非常に強力なツールになるでしょう。喘息と糖尿病は、この領域に進行しつつあります。Aerobit社は、喘息の吸入器に取り付ける装置を製造している会社の1つです。この装置にはGPSが付いており、どこで、いつ、薬剤が使用されたか、喘息の発作がいつ起きたか、その発作はどの程度のものか、などの情報を追跡します。IOT利用のこの他の例には、Googleの開発したグルコース・コンタクトレンズ、そして、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の開発したタトゥーシールのグルコースセンサーがあります。このように、すでに使用されているものにIOTを追加すれば、入れ込む技術をさらに利用することはずっと簡単になります。

平均的マーケティングと優れた業績をあげる革新的マーケティングとを大きく分けているものは、革新的なものはデータとアナリティクスをうまく利用しているということです。革新的マーケティングではデータを非常に重視し、それを得るために費用がかけられ、それに対して強力なアナリティクスが利用され、それから価値が引き出されています。顧客の個別化とカスタマー・ インティマシーが成功を持続させる鍵です。優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供できるようになったら、それを一貫して届けるようにするのが、勝利を得る道です。最高のカスタマー・エクスペリエンスを提供した企業が2017年以降の勝者となるでしょう。

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